ホストクラブの給料体制のリアル
エピソード3でも軽く触れたけど、ここでは改めてホストクラブの給料体制について詳しく説明していきたいと思う。
うちの店では月の売り上げが小計50万円を超すと、給料が歩合制になる。
当時僕はNo.6だったけど、No.6と言えども小計50万にはほど遠かった。
まあ、立川の衰退しきったホストクラブの話しだ。
もちろん歌舞伎町の有名店で、小計50万円なんかではNo.になんか入れやしない。
ちなみに「小計」と言うと一般的には商品本体の値段であって、金額から消費税を抜いた額と言う考えなんだけど、ホストクラブにおいての小計は少しややこしい。
まずホストクラブでかかるのは消費税では無く、割合も一般的な10%では無い。
キャバクラや、ガールズバーなどの水商売でも同じなんだけど、消費税では無く「TAX」が料金に加算される。
消費税を英語にするとTAXだと勘違いしている人も多いんだけど、消費税の英訳がTAXでは無い。
ホストクラブでかかる【TAX】とは
TAXとは言わば「サービス税」の事で、サービスにかかった金額になる。
海外のホテルや、有名なホテルだとTAXがかかる事がある。
明確な基準がある訳では無いので、その辺は店が決定した割合になる。
店によって全然違うんだけど、当時うちの店では、料金の32%がTAXとして加算された。
指名料金が2000円で、セット料金が8000円だったから、何も注文しなかった場合、そこにTAXが加算され、合計の金額が13200円と言う事になる。
10万円のシャンパンを入れた場合、132000円になる訳だから、10万円では無いと思ってもらった方がいい。
うちの場合、時間はフリータイムで、何時間いようと同じだったけど、店によってはセット料金が1時間ごとにかかる場合もあるから注意が必要だ。
ホストでかかる金額、ホストの売り上げ【小計】とは
ホストの売り上げの小計とは「総売」から、TAXと、指名料金を抜いた金額だ。
総売とは、客が使ってくれた全ての金額だ。
つまり小計とは注文してもらった酒や、フードの本体の料金の事になる。
例えば、10万円のシャンパンを1本入れてもらった場合、客が支払う金額は
セット料金+指名料金+シャンパン代×1.32になるから
(8000+2000+100000)×1.32=145,200
で、14万5千2百円と言う事になる。
ホストの売り上げになるのは、小計だけなので、シャンパンの10万円。
そして、セット料金のうち3000円が小計に入るので
ここでホストは10万3千円を売り上げた事になる。
客が来ても、何も頼まなければ売り上げは3000円にしかならない訳だ。
って言う事もあって、小計50万円の歩合のラインに乗せるのはかなり難しい。
ホストの売り上げと給料を詳しく
小計が50万円の歩合のラインに乗せれば、総売りの半分が給料になる。
ただ、ここでの総売はセット料金と、指名料を含まないから、単純に小計に1.32をかけた数÷2が給料と言う事になる。
売り上げが小計50万円だったら
50×1.32÷2=33
33万円が基本の給料だ。
小計が100万円だったら、単純に倍で66万円。
それに加え、指名バック、場内バック、同伴バックがプラスされる。
しかし、エピソード3でも触れたようにそこから諸々の金額が引かれる。
まず給料からは毎月10%引かれる。
このシステムはよく分からないけど、水商売の世界では当たり前のようだ。
社員旅行の積み立てで毎月8000円引かれる。
毎日やるヘアメイク代も実費で給料から引かれる。
それに加え、イベントの日や、月に一回の強制指名日の日、この日に客を呼べなければ罰金がある。
遅刻や欠勤は罰金。
イベントでかかる装飾代の一部もホストの給料から引かれる。
更に売掛が回収出来なければ、それも給料から引かれる。
売掛に関してはエピソード3で触れているから、気になる人は確認してくれればいいと思う。
税金なんてもちろん引かれて無いから、自分で保険に加入するとして
指名、場内、同伴の本数によって変わるけど、小計50万円を売ってそれら諸々の金額を差し引いたら、それで大体大卒3年目くらいの給料だと思う。
それまでは、小計10万円を売って、更に5万円を売り上げる毎にバイトの場合時給が50円ずつ上がっていく。
基本時給が900円だったから、小計10万円だったら時給が1000円、15万円だったら1050円になる。
レギュラーの場合日当が6000円スタートだから、そこから少しずつ上がっていく。
それとは別に
客を1人呼ぶ毎に入る指名バックは2000円。
同伴(客と一緒に店に来る)は2000円
場内(ヘルプ指名)バックは1000円。
さっきも説明したように、この3つは別途でもらえる。
僕が4ヶ月目でNo.6に入った時の売り上げは小計22万円で、総売32万円くらいだったんだけど、給料を全部引っくるめて、時給に換算するとコンビニの深夜バイトくらいだったかな。
レギュラーの場合、売り上げに応じて出勤時間や、帰宅時間も変わってくる。
小計が50万円を越せば、出勤は20時までだし、営業後の掃除などもやる必要は無いので実働1日4時間の勤務でおよそ30万円くらい稼げる事になる。
細かい給料システムはレギュラーの方がやはり優遇されているが、歩合に乗せてしまえばレギュラーもバイトも関係ない。
バイトの場合出勤が1日でも小計が50万円を越せば、30万円もらえるって事だ。
この辺のシステムは恐らくどこのホストクラブでも一緒だと思う。
これだけ聞くとかなり夢があるけど、何度も言っているように、立川で小計50万円を売るのはめちゃめちゃキツイ。
ホストだけで生計を立てるには小計50万円が目安になってくるから中々大変だって事だ。
ーーーエピソード11へ続くーーー
確か初めてシャンパンを入れてもらった時