初ナンバー入り
それからと言う物、N子は毎日働いた。
途中、稼げる店に移ったりしながら毎日働いて、毎日店に来てくれた。
「私が隼人さんの事をNo.1にする!」
と、よく言っていてくれたから、その時にはそれが彼女にとっての生き甲斐だったんだと思う。
「そんなに無理しなくてもいいよ」
と言ったら
「隼人さんに会わなきゃメンタルがやばくて」
と、言った。
申し訳ないが、一種の麻薬的依存だ。
自分が誰かにとって、そんな存在になり得るなんて思いもしなかった。
しかし、エピソード6でも触れたけど、ホストたるもの依存させるが勝ち見たいな側面があるのも事実だ。
こちらから営業をかける事はほとんど無かった。
ごはんも一日おにぎり1個で我慢して、家賃と携帯代を除いた残りの金、全てをホストにつぎ込んでいたと思う。
その頃には家も決まっていて、都内の方のシェアハウスに住み始めた。
立川からだと、終電が11:40分に来る。
終電を理由に家に帰す事が出来るから助かった。
それでも定期的にわざと終電を逃して、一緒にいたいとか、お泊りしたいとか甘えてきたけど、それはほとんど交わした。
うちの店では売り上げ上位6名までが、ナンバー入りとしてパネルに貼り出される。
需要が少ない立川で客を何十人も抱えているホストはいない。
客が10人いて一人が月に5万円使ってくれるより、客が一人で月に100万円使ってくれた方が当然いい。
それだけでホストの生活は成り立ってしまうし、うちの店ならナンバー3以内を狙える。
結局は少ない人数を囲って、どれだけ売り上げを上げられるかが鍵になる。
そんなこんなで、当時20名ほどいたキャストの中で僕も、入店4ヶ月目にしてナンバー載る事が出来た。
ギリギリのNo.6だけど、僕が入店してからバイトでナンバー入りをしたのは僕だけだ。
もちろんほぼほぼ、それもN子のおかげだった。
ーーーエピソード10へ続くーーー
No.のパネル