どうもこんにちはキャベ太です。(@yakisobaboya)
こちらの記事で書きましたが、僕はとにかく家族の仲が悪い家庭環境で育ちました。
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そんな訳で僕は小学生の頃から定期的に家出を繰り返すようになりました。
中でも印象深い家出の話を今回はして行きたいと思います。
Episode.1 初めての家出
初めての家出は小学2年生くらいの時だったと思います。
この頃は2歳差の兄と、とにかく喧嘩ばかりをしていました。
兄は学校でも悪さばかりをしている問題児でした。
友達をいじめて問題になって、親に苦情が来るなんて事はよくある話でした。
家でもその暴君ぶりは健在でした。
小学生の時の2歳の差と言うのは絶大な物で、僕は兄に敵うはずもなく毎日のようにボコボコにされていました。
プロレスが好きだった兄はとにかく暴君で毎日のように僕にプロレス技をかけてきましたし、なんの理由も無しに殴られました。
いくら泣き喚いても手を緩めない兄、それを止める事も無く無視をする母親。
僕にできる仕返しは指をひたすら折り曲げるか、兄が寝てる間に思いっきりぶん殴って隠れるか、兄が大事にしているゲームソフトをぶち壊すかくらいしかありませんでした。
十分やってる笑
次第に兄の暴力がストレスになりすぎて、家にいるのが嫌になりました。
日曜日のお昼、僕の分のコアラのマーチを兄が勝手に食べました。
いつもだったらブチ切れた僕が、兄に食って掛かって返り討ちにされるのが定番でしたが、この日は違いました。
「お前オレのコアラのマーチ食っただろ!」
キレる僕に対して兄がいいました。
「食べたよ。文句あんのか?やんのか?」
もはやジャイアンもビビるレベルの暴君ぶりです。
しかし僕は何も言いませんでした。
恐竜の貯金箱に貯金していた有りっ丈の小銭をポケットに詰め、そのまま玄関を出ました。
衝動的に行動をする僕の性格はこの頃からでした。
しかし、小学2年生の家出です。
当然恐怖がありました。
一人で歩くのは家から小学校までと、お気に入りの公園、児童館、友達の家のみです。
それ以上の距離は親の付き添い無しで歩いた事なんてありませんでした。
家出と言っても、一生帰らないつもりなんてさらさらありません。
夜遅くまで帰らずに親に心配してもらって、兄に反省してもらうのが目的だったのだと思います。
いつでも戻れるようにひたすら真っ直ぐ歩こうと決めました。
しかし思いの外、道は真っ直ぐ続いていませんでした。
T字路に差し掛かかりました。
「ここはまだ知ってる道だから大丈夫」
右に曲がりました。
次第に知らない道に差し掛かってきました。
親と一緒に歩いた事すら無い道は、遥か遠い別世界のような気がして、怖気づきました。
知らない公園で知らない学校の生徒が遊んでいます。
一人で歩いている僕の事を見て何やらヒソヒソ話し出しました。
たったそれだけの事がとても怖く思えました。
またT字路に差し掛かりました。
「まだ大丈夫」
僕はT字路に差し掛かったら右に曲がろうと決めました。
しかしお箸を持つ方が右手、茶碗を持つ方が左手という事をアホな僕はあまり理解していませんでした。
次第にどっちが右でどっちが左なのか分からなくなりました。
人がたくさんいる通りに出ました。
立川駅前です。
ここは母と何度か一緒に来た事があったので見覚えがありました。
しかし一人となると話は別です。
一人で人混みの中を歩くのは大変恐怖に思えました。
みんなが僕の事を見ているような気がしました。
こんな通りを小学低学年が一人で歩いているのも妙な光景だったのでしょうか。
不安になりました。
友達や友達のお母さんが急に現れてはくれないかと期待しましたが、そんな事は起きませんでした。
キャバクラや風俗が立ち並ぶネオン街を一人で歩くと周りを歩く人が不思議そうに見て来ました。
「僕何しているの?」
キャッチをやっている感じのお兄さんが話しかけて来ましたが、うつむいて早足で歩きました。
日が暮れて来ました。
もう行く当てが分からなくなって僕は歩きました。
「そろそろ帰ろうかな。」
そう決めて、来た道を引き返したつもりが、全く見覚えの無い道になり、もうどこから来たのか一切分からなくなっていました。
喉が渇いたので自動販売機でcc.lemonを買いました。
人気の無い通りでコウモリが飛び始めました。
泣きたくなりました。
そろそろちびまる子ちゃんが終わってサザエさんが始まる時間でしょうか
殴られても良いから兄に会いたいと思いました。
疲れ切った僕は見つけた公園のベンチで座り込みました。
『もう誰か見つけてくれ。』
そう願いました。
辺りはすっかり暗くなって暗闇に包まれました。
公園の時計は19時を指していました。
今頃家では母親が大騒ぎしているに違いない。
それは思惑通りだとしても、大きな後悔が襲って来ました。
このまま二度と家に帰れないんじゃないのか。
不安になりました。
ようやく近くを通りかかったお姉さんが僕の事を見つけました。
「僕何してるの?」
驚いた顔をして聞くお姉さんに僕は泣きそうになりながら答えました。
「家に帰れなくなった。」
「お家はどこなの!?」
驚いたお姉さんは聞いて来ました。
その後一生懸命自分の家の場所を説明し、結果的に自分が通ってる小学校を教えようやく合点が行きました。
そして自転車の後ろに乗せてもらい、小学校の方まで送ってもらいました。
「もう大丈夫。」
見覚えのある道まで送ってもらい、お姉さんに伝えました。
「危ないから家まで送ってくよ。」
と、お姉さんは言いましたが、僕は必死にそれを拒みました。
「ダサい」と思ったからです。
心配そうな顔をしているお姉さんに僕は感謝も伝えずに歩き出しました。
一人で歩いて家の前にたどり着くと、小窓から家の灯りが漏れて来て安心しました。
玄関の鍵は空いていました。
ドアを開けると、親が一目散に駆け寄ってくると思いましたが、両親とも不在でした。
リビングのドアを開けると兄が一人で「クラッシュバンディクー」をやっていました。
こんな時間に帰って来た僕の事を気にも留めずに、チラリと僕に目を向けると、またテレビ画面に向き直りました。
「帰ってこなきゃ良かった。」
と思いました。

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