印刷業界の現実、転売は上手く行くのか?
結局プリンターリースも、印刷代行も上手く行く気がせずに白紙になりました。
2人で会社を始めようと言ってから2ヶ月、なんの成果も得られないまま時間が計画していました。
早くも支払いを滞納し、クレジットカードを2枚止められ、知り合いにお金を借り、目の前が真っ暗な気持ちになりました。
2ヶ月で結果が出る所か、収入の予定は1万円もありませんでした。
とりあえずはどうにか生活するお金を稼ごうと言う事になり、ビジネスの初歩の初歩である転売をやって見る事にしました。
その時、あれやこれやと話し合った結果、何故か家具を転売しようと言う話になりました。
今考えて見れば最悪です。
場所を取るし、扱いが大変です。
しかしその時は何故か、家具が最適だと言う結論に至ったのです。
僕達はジモティーで無料でもらえる家具を大量に集めました。
たまたま、知り合いから借りれた軽トラックで3日間家具を集め続けました。
なるべく質が良く高級な家具を集めて来ました。
しかし、問題は集めて来た家具をどこに保存するかです。
倉庫を借りようにも、予想以上に高く、集めた家具が全部入るような大きな倉庫を借りたら、採算が取れないとYは言い出しました。
死ぬほどバカでした。
僕の狭い部屋は家具で埋め尽くされて、足の踏み場も無くなりました。
当然それだけじゃ事足りず、アパートの前にも大量の家具を置きビニールシートで被せて包みました。
使っていない駐車場にも家具を置き、なんやかんやで車4台分くらいのスペースを家具で埋め尽くしました。
「大丈夫すぐ売れるだろ!」
Yはそんな楽観的に言いました。
僕もアホなので、なんだか楽しくなって来ていました。
起業の現実、成功と失敗、地獄の生活
しかし、それからは生活苦でした。
玄関を開けてから壁に立て掛けたテーブルと、横向きに置いたソファーの間をくぐり抜けて進みました。
トイレのドアすら開けられないくらいに家具で埋めつくされていました。
無造作に置かれたタンスに小指をぶつけました。
最初はそんな状況にもYと笑い合っていました。
集められた家具を全て新品で買い揃えるとしたら、恐らく50万は下らないはずです。
邪魔で仕方ないけど宝の山だと思っていました。
「全部半額で売って25万だ!」
なんて2人してはしゃいでいました。
しかし家具は一向に売れる気配が見えませんでした。
またアホでした。
仮に売れたとしても集めたのは大型家具ばかり、送料が半端ないのです。
しかも回収した時、あちこちにぶつけて傷だらけになっていました。
価値は5分の1にも満たない状態でした。
送料込みの値段で売ると、ほとんど買ってもらえるような状況ではありませんでした。
Amazon、メルカリ、ヤフオク、楽天、その他諸々のショッピングサイトに出店しましたが全然ダメでした。
配送出来る近場で購入してくれる人はなかなか現れませんでした。
次第にYは仕事にやって来なくなりました。
「風邪を引いた」
だとか、何かしらの理由をつけてしょっちゅう休むようになりました。
気づけば年末になっていて、Yは地元のオランダに帰省すると言いました。
よくそんな余裕があるなと思いました。
僕の前では一緒にカップ麺を食べてくれたりしましたが、きっと家では良い物を食ってるに違いありません。
僕は家具と家具の間で生活し、タンスとタンスの間で眠る年末を過ごしました。
2ヶ月家賃も滞納してるし、クレジットカードも2枚止められてるし、お金も無いので毎日そうめんだけ食べて生活していました。
ひもじさの極みでした。
家具はほとんど売れませんでした。
年が明けてから仕事始めにしようと言った日に、Yはやって来ませんでした。
電話をしてもラインをしても出ませんでした。
「いつか連絡が来るだろう」
と思って待っていましたが、1週間経っても2週間経っても連絡は来ませんでした。
値段を限界まで下げて見てもほとんどの家具が売れ残りました。
不動産屋やカード会社から何回も電話が来ましたが、全て無視していました。
家までやって来ても居留守をしました。
しかし遂に不動産屋と家の前で鉢合わせました。
「家賃も未払いだし、何ですかこの荷物?苦情が来ています。明後日までに片付けなかったら退去してもらいます。」
まあ、今考えてみれば大分優しい方です。
最後にYに電話して見ましたが、やっぱり出ませんでした。
「あー、人生終わった。」
その時、そんな風に思いました。
ヒッチハイクから帰って来て、自分は何でも出来るような気がしていました。
今の自分になら何でも出来るって。
しかし、結局は僕なのです。
どう転んでも僕でしかないのです。
圧倒的虚無感でした。
ポツリと涙がこぼれました。
寒い冬の日で、ビニールシートで包んだ家具には雪が積もっていました。
僕は知り合いからまたお金を借りて、自分の軽自動車に家具を詰め、廃棄場まで運びました。
無料で集めて来た家具を1人で一生懸命運び、何往復もして、お金を払って廃棄してもらうと言う意味深な行動を繰り返しました。
結局全ての家具を廃棄するのに8万円かかりました。
「何してんだろオレ。」
自分が情けなくて仕方ありませんでした。
結局Yからは連絡は無く、何やかんやで借金は60万円を越えていました。
それからYの事を諦めた僕は、運送会社とバーのアルバイトを掛け持ちし、ほとんど眠らず無休で働き続け借金を返しました。
1日3時間睡眠で、休まず働き続けました。
最高で50連勤までしました。
あの時は本当に地獄だったなぁ〜笑

- 作者: マイケル・E.ガーバー,Michael E. Gerber,原田喜浩
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