幸福の形

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1話

 

 

 

最近よく夢を見るんだ。

夢の中の僕は現実とは姿形が全然違うんだ。

夢の中の僕は高校生で、身長が180センチあって、髪を茶髪に染めてピアスをしている、綺麗な目鼻立ち、とても整った綺麗な顔をしている。 

成績は優秀でバスケ部の主将、友達も多く、女子からはキャーキャー言われている。

 

 

 

現実での僕は全然違う。

今年23歳になった僕は、社会人5年目。

冴えない見た目、友達なんていないし、彼女も出来た事がない。

ただ流れてくる毎日を、流れ作業のように淡々とこなしている。

楽しい事なんて無い。

 

生きてる意味なんて正直わからない。

 

 

夢の中の僕は母と姉の3人で暮らしている。

どういう訳か父親はいない。

母も姉も髪を派手な色に染めていて、まるで姉妹のように母は若々しく、姉はいわゆるギャルだが、整った顔をしていて、スカートの下からスラリと伸びた足はまるで読者モデルのようだった。

 

2人は下品でひょうきんな人で、友達のように毎日はしゃいでた。

姉と僕はよくカップルに見間違われる程、仲が良くて、まるで見覚えのないのない母と姉がまるで見覚えの無い僕に愛情を注いでいた。

僕は呆れながらもそんな2人に付き合っていたんだ。

 

 

 

現実は両親とも健在だが、2人はとても仲が悪かった。

2人は僕の事をここまで育ててくれはしたが、それはどこか形式めいたもので、愛されている実感は限りなく薄かった。

食卓はいつも波を打ったかのように静まり返っていて、毎日息が詰まった。

2つ上の兄がいたが次第に口を聞かなくなり、僕はいつも独りぼっちだった。

高校を卒業したと同時に僕は家を出た。

 

家を出れば何かが変わると思ったが、それは幻想に過ぎなかった。

毎日はぼんやりと退屈に流れて行った。

 

孤独だった。

 

 

 

それから毎日夢を見た。

お金は無かったが、確かな家族の愛がそこにはあった。

それはまるで僕が理想とする家族の繋がりで、家族の愛情を知らずに育った僕への当てつけかのようだった。

 

実際にそんな幸福な生活を送っている人なんて、この世界中にたくさんいるだろう。

それでも現実世界の僕にとって、それはあってはならないような幸福の形で、夢の中の家族を憎んだ、妬んだ、羨ましく思った。

 

紛れもない嫉妬だ。

しかしそれと同時に、僕は夢の中の家族に少しずつ思い入れを強くした。

 

 

 


 

現実は廃人だ。

仕事が終わってからやる事なんてネットしかない。

Twitterには友達がたくさんいる。

それだけが僕の生き甲斐だが、それと同時に僕を苦しめた。

 

現実世界ではなれない自分に、ネットの世界ではなる事が出来た。

現実世界では言えない事が、ネットの世界では言う事が出来た。

ありもしない空想の自分を僕はネットの世界で作り上げていた。

そして現実とのギャップに苦しんだ。

 

 

 ある日タイムラインに流れてきた写真に僕は目を疑った。

 323RTされていたツイートは、派手なギャルっぽい子の投稿だった。

 

 

 

「誕生日おめでとう!!」

どこにでもある、ありふれた下らない文章の投稿に写真が添えられていた。

 

 

 

よく見覚えのある家族の写真だった。

 

 

そこには少し恥ずかしそうにはにかみ、Vサインをする僕がいた。

 

 

 

紛れもなく僕だった。

夢の中で何回もなった理想の僕だった。

 

僕は現実世界に存在したのだ。

夢の中ではなく、紛れもなく現実世界の現代に。

僕では無い僕が息をしていたのだ。

 

 

 

 

 


 

続きは考えていません。

これは僕が実際に見た夢を元に作成しました。

 

ちょっと「君の名は」っぽいすかね?

 

また夢の続きを見る事が出来たら、続きを作成しますねー笑

 

 

アデュー〜!

 

 

君の名は。

君の名は。