メンヘラ彼女に振られた悔しさをバネにヒッチハイクで全国を旅した話 12日目 Part.2 (博多〜東京)

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TOKYO

 

12日目 Part.2

 

雨が降り出しました。

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時刻は22時を回り、雲行きが危うくなって来ました。

なんだかまるで乗せてもらえる気配もありません。

 

『今日中に帰れないんじゃないか。』

そんな不安まで募って来ました。

 

重たすぎる眠気が襲って来ました。

乞食のような目をしてスケッチブックを掲げるのが精一杯でした。

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しかしあと一歩と言う所で力尽きる訳にはいきません。

そして僕はある事を思い出しました。

 

『もしかしたら』

でも、そんな上手く行く訳ないか。

そう思いながらダメ元で電話をかけました。

 

逆ヒッチハイカーの小林さんに。

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「帰りも都合が合えば乗せてったるよ。」

小林さんがそう言って僕達の事を降ろしたのは、浜名湖のSAでした。

確か、小林さんの配送区間は愛知から東京と言っていました。

万が一、今日が降りの配送日で時間が合えば、遠州豊田のPAを通って東京へ向かうはずです。

 

僅かな期待に胸を膨らませました。

 

 


 

5回程着信音が響き、電話が繋がりました。

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「覚えてますか?」

 

「おー!覚えとるで!」

 

「小林さん、今オレ達遠州豊田って言うPAにいるんですけど、通っ」

 

「おー!遠州豊田か!通るで!」

 

 

奇跡が起きました。

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「マジっすか!!!」

 

「おう後30分くらいで通るから待っとってや!」

 

まるで最初から迎えに行く予定だったかのように。

一切の迷いも無駄な言葉も無く。

そこにヒッチハイカーがいるのであれば迎えに行くのが当たり前だとでも言わんばかりに。

小林さんはそう言いました。

 

「ありがとうございます!!」

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歓喜しました。

この旅が始まって一番の歓喜です。

電話を切ってから僕達は、何故か腹が痛くなるほど爆笑しました。

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30分後、小林さんがやって来ました。

最後の力を振り絞って夢中で走りました。

 

「小林さーん!小林さーん!」

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そして、僕達は約10日ぶりに小林さんとの再開を果たしました。

逆ヒッチハイカー。

ヒッチハイカーを乗せる事が趣味の小林さんと。

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僕達はアホ見たいにはしゃぎました。

 

「なんや、テンション高いなー」

 

「そりゃ、そうっすよ!当たり前じゃないですか!!」

 

 

時刻23時。

トラックは東京に向かい出発しました。 

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道中僕は小林さんに今までの旅の道のりを興奮して話しました。

 

静岡で彷徨った事。

喫煙所で寝た事。

博多まで1日で行った事。

財布を落とした事。

下関で見た素晴らしい景色の事。

海の隣の家に泊めてもらった事。

チュッパチャップスが5千円に変わった事。

鳥取砂丘で見た夜空の事。

有名な事件を起こした人に乗せてもらった事。

神戸牛を食べた事。

最後のヒッチハイクを小林さんで締めくくれた事。

何度も辞めたくなった事。

旅をして良かった事。

 

これまでの旅を振り返るように僕は全てを話しました。

 

「オレも2回乗せるのは初めてやなー。」

小林さんも笑いながら聞いてくれました。

 


 

途中寄ったPAで小林さんがご馳走してくれました。

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ただのPAしらす丼ですがやたらと美味く感じました。

今まで食べたしらす丼の中で一番美味しかったです。

しらす丼を食べたのはこの時が初めてでしたが。

 


 

東名高速の景色はどんどん見慣れた景色に変わって来ました。

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「そう言えば行き道でなんか言いよったよな?後悔がどうとか?」

 

僕はここまで車に乗せて頂いた方にインタビューをしていました。

「人生で一番後悔した事は何か?」

「人生で一番大事な事は何か?」

 等と、そんな事を聞いて回っていました。

 

登りの道中でも小林さんにその質問を投げかけましたが、結局はぐらかされて終わりました。

しかし、10日ぶりに会った今日まで小林さんはその質問を覚えていてくれました。

 

僕は改めて聞きました。

「人生で一番後悔した事は何か?」

 

小林さんは答えました。

昔、仲の良かった友達と喧嘩してそれっきりになってしまったと言う事を。

「短気を起こさず仲良くしていれば、今でも友達でいれたんかな。」

 

「人との繋がりはやっぱ大事にせなあかんな。」

と、どこか遠い目をして語りました。

 

 

僕は質問を重ねました。

 

「小林さんにとって人生で一番大事な事って何すかね?」

 

 

30秒程の沈黙の後、小林さんは答えました。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

「愛、、、かな。」

 

 

 

 『愛』

 

小林さんは確かにそう言いました。

 

思えば今まで車に乗せてくれた人の多くが

「人との繋がり」だとか「感謝の気持ち」だとかそう言った事が大事だと答えました。

そう答えた人達は皆幸せそうにしていました。

 

『愛』

それは僕がこの旅で探していた答えそのものだったのかもしれません。

 

 

 


 

高速に東京の明かりが灯ってきました。

今まで見て来たそれとは違う懐かしい明かりが。

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深夜2時、僕達はとうとう初めにやって来た用賀ICに戻って来ました。

 

そして最後のわらしべを小林さんに頼みました。

 

「そんな高価なもんなんて持ってないでー」

小林さんはそう言いました。

 

「何でもいいんです。それが愛の形なんで笑」

僕が茶化すように答えると、小林さんは車の鍵からキーホルダーを取り外しました。

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僕は引野さんにもらったキーホルダーを差し出し、小林さんのキーホルダーを受け取りました。

 

わらしべ長者的に高価な物で終わる事を期待していましたが、本当に大切なのはそんな事ではありませんでした。

僕にとってこのキーホルダーは掛け替えのない、一生の宝物になりました。

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「ありがとうございましたー!ありがとうございましたー!」

 

僕はハザードを焚いて去って行くトラックに向かって、何度も叫びました。

そして今までで一番大きく手を振りました。

腕がもげそうになる事も気にせずに手を降りました。

 

 

ついに東京に帰って来ました。

 

 

 


 

当然飲みに行く約束は果たせませんでしたが、地元の友達が用賀まで迎えに来てくれていました。

この旅の帰りを迎えてくれました。

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旅をすると地元が恋しくなります。

そして地元が好きになります。

そして自分の周りにいてくれる人を大切にしたいと思います。

 

人との繋がりを大事にしようと思います。
小さな事がどうでもよくなります。

少し優しくなれた気がします。

 

この旅で出会ってくれた全ての人達、見ず知らずの僕達にあんなにも優しくしてくれた人達、突発的な行動を応援してくれた友達、旅に出ようと言うきっかけを与えてくれた人達、そして死にかけになりながらもこの旅に同行してくれた相方。

 

全てにリスペクトを込めて

 

「感謝!!」 

 

 

 

 

 

いつも通りの日常が始まりました。

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最後までお読み頂き、本当にありがとうございました!!

 

世界の中心で親指を立てる

世界の中心で親指を立てる

 
あの日、僕らは旅へでた。

あの日、僕らは旅へでた。

 

 

-----完-----