11日目 鳥取から東京へ
10日目の夜、鳥取駅のネカフェに泊まり残金は680円になりました。
東京都民2人が鳥取県で残金680円です。
そして、仕事が始まるまであと3日です。
残金も残金ですし、出来ればこの日の内に東京に帰りたい所です。
気温はこの旅始まって1の猛暑です。
額から汗が流れ落ちます。
まずは「鳥取自動車道」に乗る車を探してヒッチハイクスタートです。
とりあえずインター方面に向かってヒッチハイクポイントを探すのですが、中々最適な場所が見つかりません。
見渡す限り一向に日向!
こんな所で立ち止まったら干からびたミミズになってしまいます。
日陰を探し歩き続ける事1時間、ようやく日陰が見つかりました。
バス停みたいです。
とりあえずはここを拠点にヒッチハイクを開始します。
運良く10分程で停まってくれました。
これだけ開けた通りでやっているから目立つと言う事もあってでしょうか。
ICの目の前の道の駅、「河原」と言う所まで乗せて頂きました。
ここなら高速に乗る車がたくさんいるのではないかとの事です。
ヒッチハイクの極意とは
インターに入る前の通りがいい感じだったので、そこでヒッチハイクをします。
やたらと観光バスばかりが通ります。
男の旅は寝袋片手にヒッチハイク!
観光バスで悠長な旅をしてる奴なんかには中指を立ててやります。
しかしキャベ太、ここである事に気付きます
ヒッチハイクが『釣り』に似ていると言う事に。
釣り糸を垂らし、待てど暮らせど魚が釣れなかったら嫌になります。
しかし、待ち続けた者のにしか『大きな魚』は釣れないと。
30分後、魚が釣れました。
兵庫県在住の運転手さんに、兵庫県の加西SAまで乗せて頂く事になりました。
中々の大物です!笑
2時間後、加西SAに到着し、なんやかんやでトミカになっていたチュッパチャップスを阪神タオルと交換して頂きました。
さあ、時刻は17時、今日中に東京までたどり着けるのか?
如何にもマダム感満載なおばちゃんが停まってくれました。
石鹸会社の社長をやられている西垣さんは神戸在住との事でしたが、結局乗せて頂く事に
車中で西垣さんから思いもよらない事を質問されました。
「あんた達ご飯は食べてるの?」
「いやー今日はまだっすね。」
「お風呂は入ってるの?」
「いやーあんま入ってないっすね笑」
「今日中に東京に帰るのなんて無理じゃない?」
時刻は18時を回っていました。
どの道今日中に東京に帰るのは不可能でしょう。
食事もせずまたPAに宿泊したら飢え死んでしまいます。
そして西垣さんは言いました。
「ご飯ご馳走してあげるから泊まって行きなさいよ。」
「あざす!!!」
そんなこんなで、この旅始まって2回目の神戸でお泊まりをさせて頂く事になりました。
西垣さんが言います。
「何が食べたいのよ?」
無論神戸牛が食べたいに決まっています。
明らかにお金持ちそうな西垣さんの風貌に僕は期待を膨らませます。
「んー、なんか神戸っぽい物が食べたいですねー笑」
はっきりと神戸牛と言うのは流石に気が引けるので、僕はどうにか誘導しようと試みます。
「じゃあ、お肉ね、この先にいいお肉屋さんがあるからちょっと寄って行くわ。」
あざす!!!!
どうして皆が皆、見ず知らずの若者にこんな優しくしてくれるのでしょうか。
『人って本当はこんなに優しいんだ。』って言う事実が胸に染みました。
人と人は本当に支えあって生きているのかもしれません。
知らず知らずのうちにたくさんの人に支えられ、自らが支える義務を僕は知らぬ間に放棄して生きていたのかもしれません。
またしても神戸へ、神戸牛美味すぎ
そんなこんなで西垣さん宅に到着した頃には日が沈む頃でした。
西垣さん宅はニャンコいっぱいの大ニャンコハウスでした。
心優しい西垣さんは、捨て猫を保護している内に気づけば6匹のニャンコと共に暮らしていたとの事です。
一通りニャンコを愛で、お風呂を済ましてからはお待ちかねの食事タイムです。
神戸牛の美味しさはもちろんの事、驚いたのがタコ焼きの美味しさです。
プリップリに引き締まった身のタコは、今まで食べた事ない衝撃の美味しさでした。
実は神戸区明石市、有名なタコの名産地との事でした。
「なんっすかこれ!美味すぎじゃないですか!!」
「あら、そんなに喜んでもらえたら作りがいがあるわね笑」
久しぶりの食事、もう夢中で食い漁りました。
ご飯が食べられる事、お風呂に入れる事、温かい布団で眠れる事。
僕達は日々当たり前のように過ごしている生活にもっと感謝しなくてはならないのかもしれません。
この過酷な旅を通じて僕はようやくそんな事を実感しました。
ただ実は猫アレルギーのキャベ太、もう目が痒くて死にそう!笑
11日目、兵庫県神戸市にて終了。
12日目へ続く。