メンヘラ彼女に振られた悔しさをバネにヒッチハイクで全国を旅した話 3日目 (東京〜神戸)

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3日目

 

朝7時、僕らは真夏の蒸し暑さにより名古屋の上郷SAのベンチで目を覚ましました。

 

身体は痛く汗が流れ落ち、通行人から怪訝な目をされ最低なバッドモーニングでした。 

今日の20時には神戸に着くと、昔一緒に働いていた先輩には連絡を入れました。

意地でも神戸にたどり着かない事には始まりません。

 

僕は身体中に日焼け止めを塗りたくり3日目の旅をスタートさせました。 

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駐車場にはたくさんの車が停まっていました。

 

「こんだけいれば余裕やろ!」

と僕は大手を振りました。

しかしいつまでいつまで経っても、乗せてくれる車は現れませんでした。

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それもそのはず、現在地の上郷SAからは高速道路が複雑に入り組み、三重、和歌山方面に向かう車、岐阜、石川方面に向かう車、そして僕らが目指す大阪、兵庫方面に向かう道路の分岐点となっておりました。

今いる東名高速から、大阪方面に向かう名神高速に乗り換える車は中々見つからず、疲れ切った僕はダラダラと死んだような顔をしてスケッチブックを掲げ続け、時間だけが過ぎて行きました。

 

身体中は悲鳴をあげ、視界は霞み、満身創痍になった僕はちんちんを丸出しで立ちションをしてるおじさんに声をかけ謎に怒鳴られました。

 

ようやく車が見つかった時、時刻は14時になっていました。

 

ヒッチハイクで目的地まで辿り着くには普通に車で行く1.5倍の時間がかかる」

と、この旅を始める前に見たネット記事にはそう書いてありました。

もうこの上郷SAに着いてから13時間が経過していました。

13時間あれば恐らく神戸と東京を往復出来るような気がします笑

 


 

そんな精神状況の中、車に乗せてくれる人はまさに神様です。

僕は上郷SAから尾張小牧のSAまで乗せて行ってくれたトラックの運ちゃんに腕がもげるほど手を振りました。

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 時刻は16時30分。

まだ神戸まで半分も来ていません。

痩せた稲川は疲労と暑さで老衰しきっており、道端で干からびているミミズのようになっていました。

僕はSAの店内で稲川に荷物を預け、休ませると真夏の太陽の下に繰り出しました。

 

日差しが肌を刺します。

 

今日は絶対無理だ。

僕は「そろそろ先輩に連絡を入れなきゃな」と、諦めかけながらもスケッチブックを掲げました。

 


 

車が止まりました。

カッコイイスポーツカーです。

ナンバープレートを見ると驚く事に「神戸」と書いてあります。

僕は期待に胸を膨らませました。

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「どこまで行くん?」

イカしたお兄ちゃんが顔を出しました。

 

「神戸っす!!!」

僕は食い気味で答えました。

 

「おー!ちょうど良かった!!今から神戸に帰るとこや!乗り!」

 

「マジっすかー!!!!!ありがとうございます!!!!ウォッシャー!!!」

 

この旅が始まってから一番の歓喜です。

まさかこんな展開が待ってるとは思ってもいませんでした。

僕は首が千切れるんじゃないかと思うほど頭を下げました。

 

「神戸や!神戸まで行ける!!」

眠りかけてた稲川を叩き起こし興奮して伝えました。

 

 「ウソだろ!」

死にかけの稲川の目に光が灯りました。

 

 


 

神戸在住タカヒロさんは東京からの旅行帰りで、絵に描いたような関西人で、よう喋る人でした。

親の仇かと言うくらいにボケたおすタカヒロさんにツッコミを入れる事に必死でした。

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「君達はどこのインターで降りたいん?」

と、聞くタカヒロさんに対して僕は自分が降りたかった玉津ICの名前を告げました。 

 

「玉津かー、オレが降りるインターより先やけど行ったるわ!」

と太っ腹の広さを見せつけてくれました。

 

「ちなみに20時に知り合いと会う予定があって、間に合いますかね‥?」

と遠慮気味に伝えるとタカヒロさんは

 

「ギリギリやなー!飛ばすわ!!」

と答えました。

 

スポーツカーはグングンとスピードをあげると三重、滋賀、京都、大阪と関西方面を突破して行きました。

 


 

19時30分、僕達は最初の目的地である兵庫県の神戸市にようやくの思いで到着しました。

 

そして、熱海でカップルにもらったアイフォンケースと何かを交換してくれるようお願いした所、タカヒロさんは車の後ろからキングスライムの人形を引っ張り出して交換してくれました。

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「うウォー!!めっちゃイイっすね!」

僕は感嘆しました。

 

そして稲川と新しく加わった仲間のキングスライムを引き連れ、旅を再開させた訳ですが、後々このキングスライムがクソほどに荷物になってマジで大変でした笑

 

どうにか指定の時間に神戸に送り届けてくれ、イカしたエンジン音を響かしながら去って行くタカヒロさんに僕は深々と頭を下げ、手を振りました。

 

 


 

先輩から指定された場所は、玉津ICから歩いてすぐそこでした。

20時になって先輩と合流すると衝撃の一言が発されました。

 

「おー久しぶりやなー!ほなダーツ行こか!」

 

「えっ」

僕は小さく絶句しました。 

3日間まともに寝てない、食事もまともに食べていない、身体中は悲鳴を上げていました。

ダーツをやりたいはずがありません。

てっきり「おー!よう来たな!腹減ってるやろ!メシ行こか!」とでも言ってくれると思っていた僕は愕然としました。

 

昔僕が職人をやっていた頃の先輩の櫻井さんとしんいちさんは、40を越えてからも元気に遊び回っており、最近めっぽうダーツにハマっているとの事でした。

僕もダーツは好きですが、この精神状態でダーツをやりたいはずがありません。

ですが、図々しく「メシ奢ってください!」なんて事も言えず、先輩がやりたい事を尊重し、結局快活にダーツをしに行く運びとなりました。

 


 

快活に到着してダーツをしてる最中

 

「すごいなー!普通できへんわ!」

ヒッチハイクなんかでよう来たなー!」

とでも言われるかと思っていた僕でしたが、そんな事は一切言われず

 

「最近このフライト買ってな、RTも7になってん!」

と櫻井さんとしんいちさんはダーツの事ばかりを永遠に話し続けました。

 

『あー、案外こう言うもんなんかなー。』

僕は心の中で小さく悟りました笑

 

その後、何故か僕はボヤける視界と、疲労で震える腕でダーツを投げていました。

横で櫻井さんとしんいちさんは「よっしゃー!ハットトリックー!」等と叫んでいました。

 

『この人達元気やなー笑』

僕は心の中でそう呟きながらもなんだかんだ楽しくなってその後、小一時間ダーツを投げました。

 

稲川は下手くそすぎて的にも当たっていませんでした。

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なんやかんやで快活の簡易的なメシも奢ってもらい、櫻井さん達と僕は別れました。

てっきり「泊めてくれるかなー。」なんて事をうっすら期待していた僕ですが、妻子ある2人。そんな甘く物事は進みません。

 

それでも二日間ベンチで寝て来た僕達にとってネットカフェ、そこはまさしく楽園でした。

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三日目、兵庫県神戸市のネットカフェにて終了。

 

 

世界の中心で親指を立てる

世界の中心で親指を立てる

 
あの日、僕らは旅へでた。

あの日、僕らは旅へでた。

 

 

4日目へ続く。

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