こんにちはキャベ太です。(@yakisobaboya)
今日は僕がメンヘラ彼女と付き合って精神崩壊した話をして行こうと思います。
しかしこの経験を糧に僕の人生が転がり始めた気がします。
Epsode.1 【プロローグ】
これは僕が22歳の時の話です。
当時僕はダーツバーでアルバイトをするフリーターでした。
そしてそのバイト先の後輩とバンドを組んでいました。(後輩は以下Aと呼びます。)
Aがボーカルを務めるバンドで僕はベースを弾いていました。
バンドと言ってもメンバーは僕とAの二人だけで、これからメンバーを集めて活動して行きたいと言う状況でした。
Aはとても気性が荒くめんどくさい奴で、性格にかなり難がある奴でした。
それでもAは先輩の僕に懐いていて、僕はAが作る曲が好きでした。
僕はAの事が全然好きではありませんでしたが、それを踏まえた上でも一緒にバンドをやりたいと思う程、彼が作る曲に可能性を感じていました。
「こいつとならきっと上手く行く。」
そう信じた僕は別で組んでいた二つのバンドを解散してAとバンドをする事に決めました。
しばらくしてAはバイト先の常連の「ユキ」と付き合い始めました。
ユキは華奢で色白で、どこか寂しそうな目をした可愛らしい女の子でした。
当然バイト先の常連なので僕とユキも面識がありました。
しかし、ユキはAと付き合いだしてからは一切お店には来なくなりました。
Aは恋人が出来ると尋常じゃないくらい依存して、束縛するタイプでした。
ダーツバーなんて言う所は少し可愛い女の子がいるだけで、男が群がる場所です。
Aがそれを許さなかったのは想像が出来ます。
ある日、Aが体調を崩して入院しました。
確か胃腸炎だとかそんなそんな理由だった気がします。
Aはもともとメンタルと体が弱い奴で、と言うかメンタルに連動して体調を崩す奴でした。
バイト中もよく「体調が悪い」とか「精神的に辛い」などとぼやいてきました。
バイトリーダーとしてお店を任されていた僕は、彼がそんな事言う度にめんどくさくなって「帰って良いよ」とAを早退させていた程です。
入院して3日程経って僕は「一応お見舞いくらい行ってやるか。」と思いました。
Aはバイト仲間にも他の常連さんにも嫌われていたので、他にお見舞いに行こうなんて言い出す奴はおらず、どこの病院に入院してるか知らなかった僕はユキに連絡して病院の名前を聞きました。
「今日私も行くので良かったら一緒に行きませんか?」
どうやらユキもその日にお見舞いに行く予定だったらしく、そう返信が来ました。
1時間後、僕は車でユキを迎えに行きました。
久しぶりに会うユキは心なしかやつれて見えました。
「Aの体調はどうなの?」と尋ねると
「いいんじゃないですか」と彼女は投げやりに答えました。
「毎日お見舞い行ってるの?」と尋ねると。
「行かなきゃ怒られるので‥」とそう答えました。
「そうなんだ‥」
その時のユキにはAの事を心配している様子は微塵もなく、何かを我慢しているように見えました。
しかしこれ以上深追いしない方がいいと思い、それ以上は何も聞きませんでした。
病院について顔を合わせると、彼は喜んでいました。
僕は差し入れで購入した「学生島耕作」の4巻から8巻を彼に渡しました。
「いやいや、中途半端!!」
と突っ込んできました。
その後、3人での会話がどこかぎこちなく僕はいずらくなりました。
二人の本心はその時よく分かりませんでしたが
『恋人同士でいた方がいいよな。』
と言う思いもあり、僕はユキを残し病院を後にしました。
家に着いて、スマホを見るとユキからメッセージが入っていました。
「今日はありがとうございました。久しぶりに話せてよかったです。」
たったそれだけのメッセージなのですが、何故か僕はユキがSOSを出しているように感じました。
「お疲れ様。色々大変そうだな。なんかあったら話聞くよ」
恋人同士のことには突っ込まないようにする主義でしたが、反射的にそう返信していました。
「本当ですか。有難うございます。」
彼女から返信が返ってきて、僕はこれ以上何も言わない方がいいと思いラインを終了させました。
一週間してAが退院しバイト先に戻って来ました。
二人で夜勤に入っていたので話す機会も多く、Aはユキの愚痴をよく言ってきました。
話によると、彼女の家庭環境は複雑で、離婚する前の父親はヤクザで親からDVを受けていて、ユキは15歳の頃に風俗で働いていたと言います。
入院した理由もその事実を知ったショックからだと彼は言いました。
そうだと知れば、あの病院での微妙な空気感も頷けます。
Aはユキが風俗で働いていたと言う事実が認められず、完全に精神崩壊していました。
「こんな事言っても仕方ないのは分かってるんですけど、誰かに聞いて貰わないと、オレ辛すぎて。」
今にも泣きそうになりながら、彼は僕に話してきました。
その時のAは情緒が不安定になりすぎて、仕事もせずお客さんが来ても座って俯いていました。
かと思えば、突然キレてユキを罵り出したり、常連のお客さんに舌打ちしたり、空元気で笑い出したりしました。
ラインの一言は「オレは200分の1か。笑えるわ。」になっていました。
おそらく200と言うのはユキの経験人数なのでしょう。
反対にユキの一言は「私の人権はどこ!」
になっていました笑
いくら考えても意味がない問題をAはひたすらに頭の中で巡らせ、病んでいました。
確かにAの気持ちは分かりますが、今更変えられない過去の事をどうこう言われるユキも可愛そうだな。と思いました。
それ以上に周りに迷惑をかけ散らすAに嫌気が差しました。
「もう帰っていいよ。」
いつものようにそう言っても
「今日は一人になりたくないんです。」
と返されてバチボコめんどくせえな。と思いました。
僕は人の話はあまり鵜呑みにしないタイプなので、ユキが元々風俗嬢だったからと言って偏見を持つことはありませんでした。
それに15歳で風俗、父親がヤクザと言うのも可笑しな話です。
それにAは虚言の持ち主でした。
「元暴走族の総長」だとか、度々不良自慢や武勇伝を語って来ました。
ちなみに僕の知り合いには元暴走族の総長がたくさんいます。
元暴走族の総長は元暴走族の総長じゃないですし、虚言の持ち主です。
人それぞれ色んな事情を抱えて生きています。
仮に本当だとしても、ユキにも色んな事情があったのだろうと思いました。
そしてきっとユキもAに追い詰められ、精神的に参っているのだろうな。と想像しました。
しかし僕には関係ない話です。
Aとユキの問題なので第三者が介入していい問題ではないのです。
何日か経ってなんとなく予想していた通りユキからラインが来ました。
「話聞いてください。」
当然微妙な心境でした。
その役割を果たすには僕は面倒くさい立場にいすぎました。
しかし、Aとユキが付き合ってる事を知っている人は少なく、Aの性格をはっきり理解している僕しかその役割を果たす事が出来ないような気もしました。
それに加えて、その時僕は告白をした子に返事を保留にされていました。
『この子100%オレの事好きだろ!』と思い、告白したら
「ちょっと保留にさせて下さい」と言うまさかの返事をもらったのです。
ガラ空きのゴールにシュートしたら急に知らないおっさんが飛び出して来てダイビングセーブされた時のような衝撃でした。
そのまま告白の返事がないまま2週間が経過していて、僕はモヤモヤしていました。
ちなみにその子もバイト先の子で、ユキとも面識がありました。
今思えばだいぶ狭い世界で話が回っていたと思います笑
「保留ってなんだ」
「どう言う心理状況?」
女心がよく分からず返事を急かすのか、そのまま待つのか、それとももう終わった問題なのか、どうすればいいか分からなかった僕はユキに自分の話も聞いて欲しいと思いました。
「じゃあ、オレの話も聞いてねー」
Aに罪悪感を抱きつつ、僕はユキに返事をしていました。
Part.2 へ続く